スポーツ文化
ちょっと前にid:surumeno13さんにご紹介いただいたこの本、読んでみました。
Jリーグの挑戦とNFLの軌跡―スポーツ文化の創造とブランド・マネジメント
- 作者: 佐野毅彦,町田光
- 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
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面白かったです。NFLに関しては基本的な事柄が多かったですが、それでもまとめとしては良くできていると思います。
ただ、なんというか、こう……
そこはかとない違和感を、感じるんですよね。
それはつまり、この本の著者(たち)やあるいはインタビューに出てくるJリーグチェアマン(前、でしたっけ)が持っている、「スポーツというのは人間にとって必要不可欠なものであり、(欧米的)スポーツ文化を日本に広げるのは疑う余地のない絶対的な善である」とでもいうような、はっきり言ってしまうと独善的な態度に対する違和感でしょうか。
ことばの端々に、「日本はスポーツに関して圧倒的に後れをとっている、これは歪んだことである、すべての人間は本来スポーツに興味を持つはずなのである、それなのに日本の「学校スポーツ」のせいでみんな興味をなくしてしまう、これは由々しき事態である、一刻も早く、日本にスポーツ文化を根付かせねばならない……」と、なんだか宣教師のような使命感が垣間見えるのですが、そんなの大きなお世話です。スポーツなんか見なくたって(しなくたって)、立派に生きていけます。おいらスポーツ観戦大好きだけど(するのは大嫌い)、周りの人を無理して引きずり込もうなんて思いません。オレが好きだから見ている。それだけ。
そもそも欧米で生まれたスポーツ文化なるものが、日本で導入が遅れているのは、当然です。欧米から見て日本(のスポーツ文化)が歪んでいるのも、当然です。そりゃ基準は向こうですからね。べつにいいじゃないですか「スポーツのあるべき姿」なんてどうでも。へんに説教ぶられるよりも、商売人として、「よりよいコンテンツを消費者の方々に……」とかみたいなテレビショッピング的態度のほうがよっぽど清々しく思えます。
……と文句ばっかり書いてきましたが、この本の主張がJリーグの理念(ということばもあんまり好きではないのですが)にぴったり合っているのは事実でしょう。なので、別にバカにするわけではなく、Jリーグ好きの方には、オススメです。