ふたたびスポーツ文化

授業はあと2週間、その後試験、とまだまだ続くのですが、気分的には半分夏休み。

以前id:surumeno13さんにご紹介いただいた2冊目の本、読みました。


サッカーで燃える国 野球で儲ける国―スポーツ文化の経済史

サッカーで燃える国 野球で儲ける国―スポーツ文化の経済史


邦題はちょっとアレですが、中身はたいへん面白かったです。


とくに、「アメスポでは、弱いチームを強くするインセンティブが働かない」というのは、なるほど盲点でした。

たしかに、2部に落ちるわけでもない、テレビ放映権料は全チームで均等割、しかもドラフトはウェーバー方式だからむしろチームが弱い方が良い選手を獲得できる(実際、とくにNBAでは、プレーオフ出場の望みが絶たれたチームが、後半戦主力を解雇したり放出したりしてほとんどわざと負けるようにしか思えない行動をすることはよくあります。もちろん、そのチームは間違っても「われわれはわざと負けている」などとは言いませんが)。

それで学生有名選手を獲得し(ドラフトされたばかりの選手はいくら知名度があろうとも年俸はさすがにそこまで高騰しませんし)、適当に観客を呼ぶ。その若手が活躍して年俸が上がりそうになったら放出して適当な若手やドラフト権を譲り受ける。観客が入らなくなったら移転をほのめかして新スタジアムを建設してもらう。そしてまた適当に負けてドラフトで良い選手を獲得し……という循環は、実際アメスポの弱いチームではけっこう見られることです。


まあしかしそれでもアメスポは、サッカーよりは戦力が各チームで分散しているのも確かで、そこが魅力でもあるのですが。


あと移籍金というシステム(アメスポにはもちろん無し)とか、なぜサッカー選手はアメスポに比べて給料が安いのか(A-RodとDavid Beckhamは同い年で、ともにそれぞれのスポーツを代表する選手ですが、年俸はA-Rodが2,800万ドル(2008年)、Beckhamが650万ドル(2007年)と、けっこうな差がついております)とか、興味深い話題がいっぱいです。これはオススメ。