人生ムダだらけ
この映画を。
あの頃、君を追いかけた-那些年,我們一起追的女孩-雙碟平裝版 台湾盤DVD2枚
- アーティスト: 柯震東/kai Ko
- 出版社/メーカー: SONY BMG (TW)
- 発売日: 2012
- メディア: DVD Audio
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1回目に見た時はさっぱり面白いと思えなかったのですが、それはどうやら、最後の回想シーンを「なんだ回想で終わりか」とろくに見なかったからですね。今回見たらこの回想シーンにいろんな意味があることに気づいて、こりゃなかなかの映画じゃないかと思いなおしました。
さて劇中、
男「数学なんてムダ。わからなくても人生なにも困らない」
女「人生なんて、ムダなものよ」
みたいなシーンがあります。ラストの回想シーンにも出てきて、それがまた効果的なのです。
これ、やっぱりグッときますね。そうなんです。人生ムダだらけだけど、そんなものなんです。
例えばこの映画にしたって、男は散々時間も手間も使いながら、結局女を手に入れることはできなかった。じゃあそれはムダなのか?というと、そうじゃないんです。
そもそもムダかどうかなんてのは後にならないとわかりません。私が今の時点で、「あの時のあれはまったくムダだった」と思えるものなど山のようにあります。というかほとんどのことはムダ。
じゃあそのムダさえなければもっといい人生になっていたかというと、そうじゃないんです。
なんてことはウンザリするほどいわれてます。例えば初年次系の授業で社会人を呼んで話してもらうと、そうですねえざっと2人に1人は「人生にムダはない」みたいなことを金言として残していきます。
でも一方で、社会全体はどんどん逆になってきていますね。いかに(時間的・金銭的な)ムダを省くかに、すべての精力を注がねばならないような雰囲気。「私の授業はあなたたちにとってはムダかもしれません」などとは冗談でもいえない雰囲気。そんなこといったら、いつ「お前の存在はムダだ」といわれて職場・社会から放り出されるかわからないような雰囲気。
でもほんと、人生からムダを省いて、なにがどうなるんだろう。ということを改めて考えさせられたのでした。