被害妄想ふたたび
「LOST」の続き、ようやく借りてみましたが、昨日の話の続きっぽいですが、まあしかしアメリカ人の被害妄想も凄まじいものです。
いちおう「見えない敵」は「アザーズ」と呼ばれているものではあるのですが、このドラマにおいて本当の敵は「アザーズ」ではなく、「自分以外の全員」なんだなあ、と*1。
ふつう「無人島に漂着した40人」というストーリーだと「最初反目しあっていたさまざまな人種が、やがては仲良くなり、共同で脱出に当たったり敵をやっつける」というストーリーを期待するでしょう。僕もそう思っていました。
ところが、かれら、さっぱり仲良くなりません。いや、一瞬仲良くなったかと思うと、すぐまた反目して殴り合ったり銃をめぐって争ったりします。事件が起きて、「アザーズ」の仕業だと思ったら、実は身内に犯人がいた、というストーリーがほとんど。つまりは延々と「仲間割れ」を見せられているわけです*2。仲良くなったように見えるのも、「筏を作る」とか「ハッチを開ける」とか、なんか共同の利害に基づいた時だけです、そういえば*3。
なんかこれ、以前見た映画と重なるなあ、と思ったら、(ほかにもいっぱいあるでしょうが)「ブレアウィッチ・プロジェクト」。
これ、いうまでもなく、森に「魔女探し」に行った3人の若者の話ですが、ちょっと道に迷ったと思ったら、さっきまで仲良しだった仲間が、途端に大げんかをおっ始めます。「協力して敵に対峙する」等という考えは皆無。怖いのは分かるけど、もうちょっとお互い協力しようよ、そうスクリーンに呼びかけたものでした(うそ)。
で、昨日の図式に付け加えます。
自分>>家族>>>>>>>>自分以外のアメリカ人>>>>>>>>>>アメリカ人の味方>>アメリカ人の敵
なのですな、彼らの脳内では。要は、「自分と家族以外はみんな敵」なのです。
考えてみると、「24 1st」も、結局は仲間割れごにょごにょ。あと、「自分以外はみんな(潜在的)敵」といえば、「サバイバー」ですが、あれが日本で全然人気が出なかったのも、おそらく日本人にとっては、「周りの自分以外はみんな(潜在的)敵」という状況が、耐えられないからじゃないですかね。
よし「アメリカドラマ・映画における「自分以外はみんな敵」的考察」でも書いて……まあもう誰か書いてるだろうな……