みんなでなかよく

テレビ、とくにNHKをぼんやり見ていて思うのですが。

すべてのコンテンツが「みんなでなかよく」の方向に収斂されていますよね。

昨日、なにかの職人さんについての番組をやってました。
職人といえば、「一人で黙々」の典型、というか牙城といってもいい職業でしょう。

それが番組では、全国の職人が集結して、みんなで一つの作業をやり遂げる、みたいな物語になってました。

いやまあ、それでもいいんですが。

なんかこう、モヤモヤするというか鬱々とするというか。

そうか、今の時代、職人さんですら、「一人で黙々」じゃあ評価されないんだな、というのを思い知らされて、物悲しい気持ちになったです。

独りぼっちが哀しい思いをするから、「みんなでなかよく」はやるべきじゃない、というわけではないです。というかそんな要求したところで通るわけもなく。
世間的には、「みんなでなかよく」の物語を見たい人たちのほうが、圧倒的に多いんでしょうし。

しかしなあ、それだけ、じゃあなあ。


大学もそうですよね。私が大学生のころ、あるいはもう少し後までは、「大学は、1人でじっくり考えるところ」みたいな意見も、わりと見たように思います。

何を考えるのかはともかく、とにかく1人で考える。外界の情報を封鎖し、沈思黙考する。それで大学にしばらく来なくたって大丈夫。そのための時間なんだから。みたいな。

それが今や、1人で考えるなんて、何の意味もない、とでもいわんばかりです。とにかくグループワーク。とにかくみんなで一緒に考え、作業する。それこそが「あるべき・正しい姿」なのだ。


う〜ん、です。それは絶対に違うとはいいきれないけど、絶対に正しくもないんじゃないか、と。


とりあえず、NHK的「みんなでいっしょに」は、私には眩しすぎます。見ていてかなりしんどい。といいつつ、ボンヤリ見ているのですが。