目を見ればわかる

今、ゆえあってこれを読んでいます。

8巻まで来ました。先は長い。でも面白い。


今まで読んだ部分でキャラ的に最強なのは、なんといっても王騎です。

で、5巻で、彼が若き日の嬴政(始皇帝)を見て、「その目には一点の曇りもなく、真っ直ぐに前を見つめている」といったような台詞があります。

これ、今の社会を覆っている、ある種の空気を表しているんじゃないかと思うのですよ。要は、面接至上主義。


何年か後に、大学入試で面接をかならず課す、ということがいわれていますが、その狙いってまさにこれでしょう。つまりは、「会って、目を見れば、その人の本性が見抜けるはずだ」みたいなの。

企業もそうですよね。今や4回5回と面接を課すなんて当たり前。その狙いも、まさにこれ。


しかしどうなんでしょうねえ。会って目を見たぐらいで、本性って見抜けるんでしょうかねえ。

もちろん見抜ける人もいるでしょう。企業の人事を何十年、面接した人は何万人、みたいな人なら、見抜けるのかもしれません。

しかしごく普通の人間が、たまたま会って、二言三言話しただけで、その人の「内面」を見抜くなんて、できるもんでしょうか。少なくとも、私はできないという絶対の自信があります。無理。

というのも、「こいつどうしようもねえな」という学生が、なかなかいいところに就職する、というの、何度もあるですよ。そのたびに、「おれって、見る目ねえな」と思わされます。
(※なお、「いいところに就職したからいい人間」といえるかは微妙ですが、少なくともある一定の評価をされたことは間違いないところです)


なので大学入試に面接を導入したところで何かが劇的によくなるとは思えないのですが、世の中、そんな風潮ですね。