モノからコトへ

今読んでる本に、「モノからコトへの転換」というのが出てきました。

つまり、単純なモノはもう出尽くしていて、これからはモノにまつわる物語(=コト)を売る時代だと。

まあそうだよな、とは思います。が、一方で、我々の社会は、すでにさまざまな物語に飲み込まれているよなあとも。


もうなんでも物語です。何を買っても見ても、そこに過剰なほどの物語がもれなく付いてくる。「私が欲しいのは物語じゃない、単にモノが欲しいだけなんです」といってもダメ。鬱陶しいし面倒くさい。結果、モノからも遠ざかることになる。


今の教育も、まさに物語が蔓延しています。美しい物語が提示されないと、いい教育ではない、みたいに。それにまったく根拠がないとはいいませんが、しかし美しい物語であればいい教育ができる、というもんじゃないのは自明です。でも、実際には美しい物語だけがもてはやされる。


その教育物語を可視化したのがポンチ絵というやつで、これが教育物語の結晶と言えるものです。もはや大学はポンチ絵に飲み込まれようとしているのですが、それについてはまたいずれ。