年の瀬雑感

今年度の授業や何やらももうすぐ終了。

我らの業界、今年は大学改革に始まり大学改革で終わった感があります。


前も書きましたが、わたし的には、文科省の諸々の改革案が仮にその目論見通りに実施されたら、悪くないと思っています。むしろいいんじゃない?と。

が、実際に目論見通りに遂行される可能性は、ゼロです。賭けてもいいですが、効果は上がりません。断言します。

なぜかというに、実施する我々に、何のインセンティブもないんですわ。あるのは、「オレたちのいう通りにしないと、カネやらないぞ」という脅しだけ。それで「わかりましたマジメにやります」と性根を入れ替える人がいるとは、思えません。これもゼロです。

文科省の素晴らしい改革案(これは皮肉ではなく本当に)は、大学に降りてきた時点で「これをやれば、カネをやる/やらなきゃ、カネはやらない」という脅しとなり、数値化されてノルマ化し、末端に降りてきた時点では「この数値をクリアしなきゃならない/数値さえクリアすればいい」となって、数合わせのみに一喜一憂することになるのです。


もちろん、脅されたからには、仕方なくやります。でもあくまで仕方なくです。ノルマこなせばいいんでしょ?形だけ整えればいいんでしょ?

で、完全に骨抜きになる。大きな声じゃいえませんが、うちも完全にそう。


お隣の中国を見るまでもなく、上が建てた「立派」な政策が、下に降りて来たら見る影もなくなり、ノルマをこなすことのみが目的と化した狂乱が繰り広げられる、なんてのは、あまりにおなじみの光景です。

これ、どうすればいいんでしょうね。つまり、私が文科省の中の人だったら、どうすれば自分たちの意図を、なるべくそのままの形で実行させられるのか。「脅し」はほとんど効果がないと思いますが、かといって他にやり方があるのか。大学教員を意識の高い者にすっかり入れ替えればいいのか。さすがにそんなわけにはいかないでしょう。

あるいは、私の考え違いなのか。つまり、今みたいな「脅し」にも、実は効果があるのか。「こんなの意味ねー」と思いつつノルマをこなすためだけにやってる授業にも、それなりの効果はあるのか。


ほんとにわかりません。ので、相変わらずやる気も起きません。