ああ留学

もう十数年前になりますが、中国留学中、同じ日本人留学生で、心の底から中国を馬鹿にしているような人、よくいたものです。

もうすべてを馬鹿にしている。すべてのことにケチをつける。「遅れてる」だの「汚い」だの「バカだ」だの。

見ていて、もちろん、気分のいいものではありませんでした。「だったら来んなよ」と思ってました。


さて、ここのところ中国から来る留学生。

別に日本を馬鹿にしているわけじゃないのですが。

「日本で学びたいものなんて、別にない」という学生が、多くなっているように思います。

以前だったら、「日本の進んだ文化を学びたい」みたいなのが、多少なりともあったのです。「せっかく留学に来れたから、勉強したり現地の人と触れあったりしたい」という欲求が感じられた。
ところが今は、正直、そういうのをあまり感じない。日本語上手くなりたいとか、日本の友達ほしいとか、そういう欲求が、あんまり感じられない。彼(女)らだけで固まって、彼(女)らだけで生活して、ちょこっと授業に出て、帰国していく。


望ましいとはもちろんいえないでしょうが、かといって、絶対にダメだ、ともいえないでしょう。誰がどんな気持ちで留学に来ようが、別にこっちの知ったことではないのです。よくも悪くも。


ただ思うのですが、留学って、一般的には、「遅れたところから、進んだところへ」行って、学ぶわけですよね。

自国より遅れたところで学ぶ意味は、基本ありません。言葉を習うとか、フィールドワークとか、ぐらいですかね例外は。

となると、今やすべての面で日本を追い越そうとしているorすでに追い越している中国から、わざわざ「遅れた国・日本」へ来る意味は、そんなにない、もしくは、彼ら彼女ら自身が、ないと思っているのかもしれません。親や先生が行けっていうし、程度。本当は中国で生活したい。


いや、こないだの新学期の集まりで新しく来た留学生に自己紹介させたら、ほとんど全員が「ここは田舎だ。びっくりした。部屋も汚い。ネット環境も悪い。ものすごく後悔した。泣きたくなった。ちょっと泣いた。悪夢だ。」とか、いやよくもまあ日本人の前で、というくらいの悪口三昧だったので。1人が冗談交じりにいったので私も私も、みたいな感じだったのでしょうからまあ腹が立つというわけではないにしろ、留学中、中国をとことん馬鹿にしてた日本人に対する思いが、よみがえってきたものでした。


今後もし、こういう留学生が増えてくるとしたら、いろんな意味で不幸だよなあ、とは思うものの、もちろん「じゃあ来るな」ともいえず、かといって「頑張って日本を好きになってもらう」というモチベーションもなく。さて、どうしたもんか。