文化の違い

オレは人文学部というところに所属しています。

人文学部にもいろんなタイプがありますが、うちは「文法経」が一緒になったタイプ。

で、何か摺り合わせをしようとすると、その文化の違いにけっこう驚かされます。


例えば。これは特に経済系の文化なんでしょうが、ゼミというものの持つ意味が、相当デカい。2年生からあるゼミに所属すると、もうそこが世界のすべて。「ゼミ運営」みたいなのが大変重要。教員も、自分のゼミの学生を常に気にかけ、精神状態を把握し、誰が誰と付き合っているかをチェックする。

というのが、あるべき・やるべき姿、みたいなんですよね。


一方の文学部文化といえば、そんなのない。むしろあるとすれば上下関係ですかね。上から下に語り継ぐ秘伝、みたいなのはある。でも、ゼミの運営に気を使う、なんて、考えたこともない。教員も、学生みんなの状態を把握するなんて、考えただけでブルーになります。


これはそもそも、ゼミというものの位置づけが違う、というのもあるでしょう。経済学系の場合、学生の研究テーマは基本的に自由です(たぶん)。地域活性化をやりたいと思えば、もちろん地域活性化の専門家のゼミに所属するのが一番ですが、労働経済学のゼミでもできます(たぶん)。だってそもそも、ゼミの定員の上限があって、選抜が行われるくらいですしね。

一方文学部系はいうまでもなく専門性を重視するので、上限は基本的にないところが多い。

なので、文学部の場合には、その紐帯として「専門」があるのに対し、経済系は緩い。なので経済系は「人と人」で結びつく傾向にあるんですかね。一方文学部は専門に逃げ込めるので、「オレは中国文学を勉強したいので仕方なくdesean に習っているけど、desean本人にはなんの興味もないし、むしろキライ」というのは全然普通にあるし、それでそんなに問題はない。


まあこれはオレ自身の性質もあるんでしょう。文学部系でも経済系風ゼミ運営をやっている人はやっているみたいだし。それはいいんです全然。


しかし問題は、最近、経済風ゼミ運営が推奨されつつあることです。学生のケア、という点で。


個人的には、激しく勘弁して欲しいですが。「ねえ○○さん、あなた、誰と付き合っているの?」「あなた、最近、悩んでいること、ない?」とか、猫なで声で聞かなきゃならんのかな…