舐められないように

今のオレの環境で、体罰なんてのはさすがに想像すらできません。が、「言葉での暴力」はいくらでもありそうです。

以前、FDで見せられたビデオ教材で「うるさいから出ていけ」はアカハラです、とあってちょっとびっくりしたものでしたが、もちろん、これが「言葉での暴力」でないとはいえない。しかし、そう言いたくなる時がある、というのは、気持ちとしてはよく分かります。幸い、オレ自身は、もう何年もこの言葉は吐かずにすんでいますが。


教師にとって、「生徒・学生に舐められる」というのが一番避けたい事態、というのは、実はよく分かるのです。「deseanの授業なんて楽勝。どうせヘナチョコだから、しゃべってたってケータイやってたって寝てたって文句言わねーし」と思われたらどうしよう、そして学級崩壊したらどうしよう、という不安は、常につきまとっています。ヘナチョコのオレですら。というかヘナチョコだからこそ。

実際、大学での学級崩壊の事例を見聞きすると、「明日は我が身」という不安感はある。そうした焦りから、「よし、舐められないようにガツンといこう」と必要以上に肩肘張る、というのは、よく分かるのではあります。


まあでも、オレの乏しい経験からも、「恐怖感は、プラスの方向には働かない」というのも、事実ではあります。「desean怖い、キレたら何するか分からない」という評判が立ったとして、それで授業中にシーンとなったとしても、「よし、だから勉強頑張ろう」という学生がいるとは思えない。「怖いから黙っとこう」と思われるだけ。それで?と。


とはいえ、こんなこと言っていられるのも、

1.今の勤務校が、おそらく相当に「教えやすい学校」であること。

2.オレの見た目がけっこう怖いらしく、あんまり「舐められる」ということがないこと。

という僥倖のおかげだとは思います。あれ、僥倖の使い方、これでよかったっけ。