増えたもの

ちょい古ぐらいの本を読んでいると、ちょっと不思議な感じがすることがあります。


今、この本を読んでいるのですが。


ヨーロッパ「近代」の終焉 (講談社現代新書)

ヨーロッパ「近代」の終焉 (講談社現代新書)


この中に、現在のイギリスでは「児童虐待防止協会」なる団体が休閑団体ではなくしっかり活動している、子どもを虐待から防止することを目的としたものだそうだ、そんなものがあるとは信じられない、という記述が出てきます。

最初、何のことかよく分かりませんでした。えっ著者は何にビックリしているの?

そして、そうかこの頃、日本では「児童虐待」なるものなどまったく想定もされていなかったのか、ということがようやく分かったです。


この本が出てからちょうど20年。たった20年ですよ。それで、いろんなモノがこの社会に加わったんだなあ、と、ちょっと不思議な感覚に襲われました。もちろん「日本でも児童虐待が増えた」とかではなく、「児童虐待なる概念が加わった」ということ。


それだけ社会が複雑化してきた、といえばそれまでですが、まあでもなんか、難しい時代を生きてるよなあ、これからもどんどん複雑になっていくんだろうなあ、オレ、あと40年も生きていけるかなあ、と、変なところで不安になったのでした。


まあ、知らぬが仏、という言葉もあるように、知らなきゃ知らないでいいのですが。