便乗

不況になると、各種セミナーやコンサル、流行るみたいですね。

これは、「不況になったから流行る」というよりも、「業者やコンサルが「不況だ!このままじゃ危ない!」と煽るので一般人も不安になりこの手のセミナーが流行る」というほうが、実情に合っているのかもしれません。たしかに、某有名経済学者も、「なんとか塾」を立ち上げると同時に、「日本はあと3年で終わり」「その後はスキルを持った人材しか生き残れない」とか盛んに煽り立てるようになりましたし。

やっぱ人間、平和な時には動かず、尻に火がついてようやく慌て出すものなんですかね。とくに日本では。


さて、昨今の「就職氷河期」、われわれ大学教員にとって、実はけっこう「使える」(酷い言い方ですが)、という面もあるんですよね。

つまり、「マジメに勉強しないと、この先就職できないぞ」という脅しが、使えてしまうので。

これは経済学とか経営学とかの「実学」(っぽいもの)ではもちろん、われわれ人文系のような、およそ就職とはかけ離れた分野でも、そう。それは例えば、「毎日キチンと授業に出る」「課題は期日通りに提出する」「会ったら挨拶する」「ちゃんとした文章を書く」みたいなお約束を、「それができないと、就職で苦労するぞ」と、本当かどうか分からない脅しに流用することができちゃう。

就職バブルの時だと、あんまり効かないですよね。「ロクに授業に出ていなかったヤツでもひょいひょい就職できちゃう」という状況では、この手の脅しはそれこそコケ脅しです。就職氷河期ならでは。


本当にわからんですよ。授業に真面目に出て、いい点を取り、卒論もきちんとやった学生がいいところに就職できるかどうかは。でも、「使える」のは確か、ですね。便乗というか。