やられたらやりかえす

中国の方々と接していて、もちろん楽しいことも多いのですが、しんどいなあと思うことも多々ありまして、その代表的なものが「やられたらやり返さなくてはならない」ことです。


典型的なのは、たとえばこちらが中国に行くと、ものすごく歓待してくれる。至れり尽くせり。
で、向こうが日本に来ると、今度はこっちが歓待しなくてはならない。少なくとも同じ程度には。ということを期待される。
で、向こうの歓待は、けっこう「コネ」によるものの場合が多いのです。「○○大学」という看板を表に出すと、普段は入れないところに入れるとか、ホテルに安く泊まれるとか。

そもそも向こうの人はコネが大好き。コネを使うのも使われるのも。コネを使うことで「自分は特別な人間」ということを演出するとともに、「あなたはそのコネを使わせてあげる大切な客人」ということもアピールすると、こういうわけです。
実際、向こうの大学を訪問し、なぜか公安の車でレストランや観光地に連れて行かれたりする時、一般の車を蹴散らして爆走する車に乗っているのは、さすがにいい気分です。そりゃ、こういうことのできる地位を得たら、手放しませんわ。


で、同じことを期待されると……


当然、うちの大学の名前など、大学を一歩出たら、なんの役にも立ちません。レストランだろうがなんだろうが、普通の車で行って、普通に並んで、普通に食べる。コネなんて使いようがありません。


それ以外にも、こっちが何かしてもらう。あるいは、何かをいただく。その返礼として、「つきましては、desean先生の力で、○○をしてください」とくるわけです。これがしんどい。オレの力なんて、屁のようなものです。なんの役にも立たない。でも向こうは、それを期待するんでしょうね。


もちろん日本にコネ文化がないというわけではありません。汚職だって日常茶飯事です。でも幸か不幸か、日本の場合、コネというのに負のイメージが拭いがたく存在します。前にも書いたように、「コネで就職する」というのに、ものすごくマイナスイメージがありますし。


だもんで、いつのころからか、中国人には、できる限り「借り」を作らないようにしています。寂しいといえば寂しい生き方ですが、後で遺恨を残すよりは、と思って。