辺境のさらに辺境から考える。

出張中はこの本を。


日本辺境論 (新潮新書)

日本辺境論 (新潮新書)


相変わらず面白く読ませていただきました。


しかしこの「辺境論」というのは、いろいろ応用が利きそうですね。

たとえば、オレ、ずっと地方国立(なんだかこだわりますが)で育ってきたもので、研究動向とか、つねに「中央の目」を気にしてきました。いつも、「オレの研究、中央から見たらどうなのかな」というのが気になるんですよ。まあ往々にして、中央の人は誰もオレの研究など気にかけはしないのですが、それでも空想上の「中央の偉大な権力の目」をきょろきょろ気にしながら、ここまできたわけです。


だからいいとかダメとかではなく、もうそういう心性なんですよ。もちろん、地方国立がみんなそうだというわけではなく、むしろオレが過剰に気にしすぎるんだろうなあとは思うのですが、内田さんがいうように、そういう奴隷根性にも、まあいいところはあるんじゃないのかなあとか考えました。たしかに、「人からものを習う」には、この奴隷根性は欠かせません。