バンドの社会学、もしくは出会いの場としての大学

たまたまwikiで、日本のバンドをいろいろ見てたんです。すると、面白いことに気付きました。


メンバーの出身地が同じ場合、たいてい高卒。バラバラな場合、大卒。

つまり、「どこどこ出身の4人組」とかいう場合、たいていメンバーは高卒で、メンバーは高校の同級生とか幼なじみとか、そういうパターン。数から言えば、こっちの方が多数派です。

一方地域的な色のないバンドは大学(以降)で出会って結成されている。ある3人組のバンドを見たら、メンバーの出身がそれぞれ山口、神奈川、茨城で、見事にバラバラだなあと思ったら「大学で出会って」とありました。やっぱりね。


「それがどうした」といわれそうですが、でもこれ、二つの点で面白い。

ひとつは、「ロックバンドの社会学」みたいなのできないかなあ、と。日本のロックバンドがどういうメンバーで結成されてどういう変遷をたどって、というのを、海外どの比較でいろいろ分析したらなんか面白そうじゃないですかね。


ふたつめには、多くの者にとって、大学って、他地域出身者と出会う初めての場所なんだなあ、ということ。

僕自身、高校卒業までの18年間、細かな引っ越しはあるもののほぼ生まれ故郷に住んでました。付き合うメンツも当然ながらそこの出身者だけ。中学の時だったか、隣のクラスに大阪からの転校生が来て、大阪弁をしゃべるらしいぜ、というのを聞いて、みんなでぞろぞろと見物に行った記憶があります。

それが大学で縁もゆかりもない土地へ。しかも東日本から(ちょうど中間地点だけど、どっちかというと)西日本へ。
最初のカルチャーショックはそりゃ凄まじかったです。言葉はもちろん、食い物から、人間性から、何から何まで違う、ように感じる。

しかも大学にはいろんなとこの出身者が集まっている。会って最初にかける言葉はたいてい「ご出身は?」です。

若者を生まれた地域から強制的に引き離し、ごちゃ混ぜにする攪拌機能というか。他地域出身者との出会いの場をセッティングしてくれる、「お見合い」の取り持ちをしてくれるのが、大学である、ともいえるんじゃないでしょうか。


これも「だからどうした」ではありますが、「「出会い」の社会学」みたいなのを考えたとき、大学が担っている「出会いの場」機能って、けっこう大きな要素なんじゃないかなあ、と思った次第でした。