聖職、聖域

こうやって自分の職場・同僚を晒していい気になるのは、あんまり品のいいものじゃないかもしれませんが……


今、うちの学校でも、FDとやらが盛んになってきました。要は、教員の教育能力向上です。

そのために、相互授業参観とかピア・レビュー(こないだの会議で初めて耳にした単語でした)とか、いろんな取り組みが行われようとしております。


それに対し、うちの先生方は、断固反対。そういう取り組みを潰すべく、一致団結して闘う。こないだの会議で、そんな風に決められました。

う〜ん……

いや、正直な話、なにが、そんなに、彼らをかたくなにさせるのか、わかんないんですよ。


これが、技術的な問題、つまり、だれがピア・レビュアーになるのかとか、適当に授業見せ合ったってどうなるもんでもないとか、そういう反論なら、まだわかります。あるいは、これも公言している人がいるのですが、「オレの授業は人気がある。それは、特別なスキルを持っているからだ。でもそれを、他人にタダで教えるなんて、そんな真似はしない。これはオレの商売道具だ」的言い方も、(その人の性格の善し悪しは措いとくとして)分かります。


でも、どうやら多くの方々は、「授業を他人に見せるなんて、とんでもない」と、とくに理由なく(あるのかもしれませんが)、思っているらしいのです。


それって、どうよ……

他人に見られると困るような、そんな授業してるのかよ……

そう勘ぐりたくなってしまいます。

あるいは、「オレの授業は、完璧。他人の意見なんて、全く必要ない」とか、自信持ってるってことか……それはそれで、なんだかなあ……


実際、数年前、相互授業参観の委員になったことがあるのですが、まあ見事にみなさんに断られ続け、結局(本来は委員はセッティングが仕事なんですが)自分のでやった、そんなこともありました。

いや、オレが自分の授業に自信を持っているとか、そんなことは全くないですよ。でもだからこそ、他人に見てもらい、「どんなもんでしょう」と意見を聞くことには、そんなに抵抗はないのですが。実際、授業は、完全なオープンにしてます(といっても、他の人が見に来たことはほとんどありませんが)。


どうやら、先生方は、「授業中の教室は、聖域」みたいに考えておられるようで。もっというと、「(とくに大学の)教師という職業は、聖職。他の職業とは違う」と考えておられる方も、多そうです(まあこれは、「先生のクセに」みたいな言い方をする一般の方々も、共犯関係にあるのでしょうが)。

でもそれって、結局、最後には、自分の首を絞めることにもなりかねない、と思うのですがねえ。そんなに肩肘張らなくても、「自分の好きなこと・分野には異様に詳しいけどそれ以外の一般常識みたいなのは笑っちゃうほど知らない、変わったオジサン・オバサン」でいいじゃん。