大難というか衝撃というか
いろんな方の後を追いかけ回しているような書評ですが。
- 作者: 富坂聰
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/04/27
- メディア: 単行本
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これが素晴らしい/凄まじいリポートであることは言うまでもないのですが、しかしこういうのを読んでいると、なんというか、地道な研究者稼業(←まあこれもあやしいんですが)がバカバカしくなってくるのもまた事実です。
「言論の自由」とか「民主化」とか「汚職はダメ」とか「真面目に働く」とか、いわゆる「西側」では当然とされる価値観が、中国に照らすと完全に相対化され、金銭化されるような、なんともいや〜な気分になるのです。
「だから中国は遅れているんだ」「もう中国は限界だ、まもなく崩壊するだろう」みたいに言いはやす一派は、しかし、中国の民主化を夢見るようなもう一派と同じように、「現実を見ていない」のです、富坂氏のいうごとく。
我々からするととんでもない無法地帯に見えて、しかし一方では凄まじいパワーを見せつけつつある中国。今の中国に対しては、従来の右とか左とかいう尺度では到底計測不能です。例えば、香港から西洋資本を駆逐し、「赤い血(カネ)」で染め上げ中国式ビジネスで席巻した中国人大富豪たちは、(日本式)左からすると、はたして善なのか悪なのか。
なので、「作家たちは自由を求めて一生懸命作品を書きました/書いています」的なこれまでの中国現代文学史観も、ちょっともう根本的に改めないといけないかもしれませんね。
とはいえ、どう改めれば……