「お金で買えない価値」の金銭的価値
ここんとこ、(中国)経済に関する本をあれこれ読んでおります。今話題の
- 作者: 丸川知雄
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/05
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
とか、
アジア市場のコンテキスト【東アジア編】-受容のしくみと地域暗黙知-
- 作者: 川端基夫
- 出版社/メーカー: 新評論
- 発売日: 2006/07/10
- メディア: 単行本
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
とか、あと中国じゃないけど、
市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える") (叢書“制度を考える”)
- 作者: ジョンマクミラン,John McMillan,瀧澤弘和,木村友二
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 単行本
- 購入: 6人 クリック: 178回
- この商品を含むブログ (57件) を見る
とか。
僕ら人文系は、「お金で買えない価値」を研究している、と考えている人が多い、んじゃないでしょうか。ある程度までは、僕もそうです。まあそれには、研究の価値を金銭で計られたら、ゼロ査定されかねない、というやんごとない事情もありますしね。
ただそれでも、世の中、金銭的価値からは逃れられない、のも事実です。例えば文学だって、その多くは作者が作品を売って生計を立てるために書かれたものだし、それを研究する我々だって、自分の研究を学界・大学に認めてもらって、ポストにありつき、またありついた後は、クビにならないように、あるいは本でも出して一発当てるために、研究しているわけです(えっ、そんなに動機が不純なのは、オレだけ??)。
人文系知識人の中には消費社会・資本社会を批判する人がよくいる、どころかそっちの方が多数派だと思いますが、そういう言説自体、「こういう言説をすることで、自分の主張を世の中に認めさせ、有名になり、あわよくば新聞や雑誌で連載を…」的な経済的観点から来ている、という意地悪な見方だってできちゃうわけです。
おそらく世の中には、純粋に学問のために、研究を続けている人もいるとは思います。まあしかし、だからといって、そっちの方が偉い、とする根拠は別にありません。カネのためだってなんだって、いい研究はいいんです。
……とはいえ、「世俗のことには何の興味もなく、ひたすら研究に打ち込む」って、憧れますけどね……なにせこっちは凡人なので、雑念が多くて……カネは欲しいし……女にはモテたいし……