夜の校舎窓ガラス……

先日、久しぶりに大学に遅くまで残っておりました。赴任1年目は他にすることも行くところもないので、ほとんど毎日、日付けが変わるぐらいまで残ってましたし、週に1度は泊まり込んでました。が、最近はもうとっとと切り上げて家に帰ってテレビとビールの日々。思えば堕落したもんだ……


というのはともかく、珍しくお仕事に打ち込んで、気付いたら12時過ぎ、おっもうこんな時間か、と気付いた瞬間、背筋がゾクッとしました。やばいオレ怖がりだった……

子供の頃から怖がりで、そのくせ心霊写真の本とか、「あなたの知らない世界」とかを見るのが好きなもんですから、そんなのを見た夜はまず独りでは寝れません。恥ずかしながら、かーちゃんの寝床に潜り込んだものでした……


さて、すでに12時過ぎだと気付いて、しかもちらっと廊下を見たら当然みんな帰ってて真っ暗。そんな時に限ってトイレに行きたくなるものです。しかも大。我慢しようとしたけど、でもどうしても我慢できず、結局、ラジカセを大音量で流しながらそーっとそーっと行ってきました。


で、思い出したのが1年目のこと。そん時も真夜中、我慢に我慢を重ねて、もうどうしても我慢できずにトイレに行こうとしたら、真っ暗闇の廊下の先で、ぼそぼそと声がするではないですか。あれ、気のせいかな、とドキドキしながら近付くと、今度は、女性のすすり泣く声が聞こえます。

心臓が飛び出そうなくらいビックリしましたが、ここで変に逃げたらむしろ追っかけてくるかもな、もうこうなったらオバケというのをみてやろうかな、と変な度胸がついて、そーっと近付いて行くと……


どうやら1階下から聞こえてきます(うちは階段の正面にトイレがあるのです)。で、覗き込んでみると……


院生らしい女性が、真っ暗闇の中で、携帯で話してました。耳を澄ますと、「……私のこと、都合のいい女だと思わないでよね……」とかなんとか、泣きながら話しております。


……痴話げんかですかそうですか。あまりのバカバカしさに恐怖もふっ飛んでしまったものでした。とはいえこの会話にも興味があるのでそのまま聞き耳を……


立ててたなんて現場を見つかったらヤバいのでそそくさと引き上げました。どっとはらい