茶化す

しかし都知事選ではなぜか左派に対するザマミロという感情のほうが「また閣下が通っちゃったよ」というガッカリ感に勝ったのですが、やっぱどうもオレ、昔から、「みんなで何かに一生懸命取り組む」という姿(←これ、実際はともかく、左派の専売特許、みたいなイメージがありますよね)に、嫌悪感を抱いてしまう悪いクセがあるんですよね。

サークルにしろ市民運動にしろなんにしろ、集団行動、「ある一つの目標に向けて一丸となって……」みたいなのが本当に嫌い。「俺には関係ねーよ」とスルーする、ことができればいいんでしょうが、どうもムカムカしてしまうのです。

で、なぜかというと、これはもう分かっています。僕自身が、そういうのに入りたいでも混ぜてもらえない、あるいは「僕入りたい」という一言が言えない、あるいは入ってもなんの役にも立てずお荷物扱いされるのが怖い、等々の「被害妄想」あるいはルサンチマンから来ているのです。

昔から、たいてい独りでした。新しい学校に入学したり新学期になったりしても、なぜか友達作りに出遅れて、独り寂しく昼飯食ったりしたものです。「俺は独りが好きなんだ」と無理矢理思い込もうともしたものですが、やっぱ心の底では、みんなと一緒にワイワイやりたい、という願望があるんですよね。でもできない。そうすると、周りでワイワイやっているやつらを逆恨みしてしまう。「クッソー俺が独りなのにあいつら楽しそうにやりやがって。ふん、そんなことしてたら大学にだって受かんねーゾ」とか負け惜しみで思っていたものでした。


……いや、キモい自分語りはもうやめます。が、孤独な人間が、楽しそうに活動する集団に悪意を抱く、というのは、もう本能的なものなんでしょうか。もちろん、こんな本能を擁護したり正当化する根拠はなにもないですが、ただ、選挙というのは、孤独な人間が、自分(たち)の威力を見せつけられる、数少ない機会なのかもしれません。左派(←彼ら、こういう言葉が適切かどうかはともかく、楽しそうに運動してますよね)へのここまでの反発を見ると、こういうルサンチマンを抱いているのは、オレだけじゃないのかも、などと思ったりするのでした。


……あ、もちろん、少なくとも僕の場合は、楽しそうに運動する「愛国者たち」も、同じくらい嫌いではあります。