凡人

クリスマスで浮かれていたら、ノーベル賞学者が「塾廃止」を主張したそうですね。


彼自身が学生時代塾や予備校通いをしていたのかわかりませんが、こういうことを言うからには、たぶんしていないんでしょう。


「本当の天才」とは、そういうもんだと思いますよ。一流大出でも、「塾や予備校になんか、通ったことがない」という人、けっこういるんじゃないかという印象です(こういうのはあくまで自己申告なわけですが)。うん、そういう人たちは、本当に頭がいいんでしょう。


で、凡人は、なんとかそれにキャッチアップすべく、塾に通うわけです。ぼくみたいに。初めて塾に行ったのは中学2年の時でしたが、それまで田舎の中学でのんびりやっていた子供にとっては、都会(といっても地方中核都市ですが)の子供たちが、受験テクみたいなのを身につけてスマートに問題を解いていっているのを見て、衝撃を受けたものでした。もしあそこで塾に通っていなかったら、もうちょっとランクの低い高校−大学に行っていただろうのは、間違いありません。それが良かったか悪かったかはまた別の話ですが。


もちろん、経済的な都合で塾に行きたくても行けない子供がいる、というのは考慮すべきだとは思いますが、例えばこのノーベル賞学者のような「真の天才」から見ると、塾通いというのが、ズルに見えるんだと思います。「真の実力で勝負しないで、カネを積んで学力を買うなんて、ズルい」と思っているんじゃないか、という気が。


そしてそれは、結局のところ、形を変えた別のエリート意識なんじゃないのかなあ、と凡人は思うのでした。