改造計画

最近の教育に関するニュースを見ていると、なんだかもう、落ちるとこまで落ちればいいやん、と、投げやりな気分になってきます。


大学に限っても、ここに書いてあるとおり、「「企業で戦力として使える人材となるように教育してほしい」という財界の要請」から、文科省は「全大学へ教員への研修を義務づける方針を固めた」んだそうです。やれやれ。


別にオレらが研修を受けるのは(僕に関しては)まあいいのですが(どーせ偉い人のお話を拝聴する程度のことだろうし)、「企業で使える人材に教育」される若者が、なんだか気の毒で。


まあこのことに対する文句は内田先生はじめみなさん書いていただいているでしょうから、取り立てて付け加えることはありません。


ただ思うのは、「大人っていうのは、本当に、若者が怖いものなのネ」ということです。


「今の若者はなっとらん、もっとしっかりしつけてくれ」てな感じでしょうか。同じ人間というよりは、動物として見ているかのような。


こういう大人たちは、若者だった頃って、なかったんでしょうか。


僕は、普段日常的に若者と接していて、「ああ、こいつらの姿は、オレの大学生時代と同じだ」と、始終感じています。


別に未来に何の希望もなく、就職なんてどーでもいいし、教師の話もつまんない、学校もイヤ、周りの人間がみんなバカに見える、あーあ、やってらんねーよまったく……


こういう時期を過ごしたことのある人って、そんなに少ないですかね。


そしてこういうモラトリアムって、そんなにムダですかね。


「大学の自治」みたいに、大学だけを特別視するのって好きじゃないのですが、ただぼんやりとあれこれと考える4年間、これって、決してムダなだけだとは思わないのですけどね。


ただもう、「今の世の中が悪い」→「それは若者のせいだ」→「若者を改造しろ」という主張に凝り固まっている、きっとさまざまな意欲に溢れた従順な若者時代を過ごしたのであろう政治家や役人にとっては、誰が何を言ってももう聞く耳持たないんでしょう。やれやれ。