衝撃の事実

 今回、開封では、ある女性にいろいろ案内していただきました。彼女は20代後半、日本に留学していて、前回河南の先生がうちの大学に来た時、一緒に通訳として付いてきて、知り合いました。今回はその「お返し」として、ちょうど一時帰国中だったことを幸いに、お世話になった、というわけ。


 で、レストランやらなにやら、本当にすっかりお世話に(ご馳走に)なりました。お父さんが開封市なんとか局の局長とかで、お金持ちでもあったみたいです。


 なのに、なのに……

 こんな悪口をいう私をお許しください。


 なんというか、彼女の「高ビー」さに、どうにも耐えられなかったのです。いや、僕ら(今回は僕を含め、3人で行きました)には、ものすごく優しいし、親切なんです。ところが、レストランの小姐とか、按摩のおねえさん(ちなみに今回、彼女に連れられて、国内外を通じて生まれて初めて按摩というのを体験しました。もう二度と御免です)とか、そういう人相手には、態度が豹変するのです。本当に、鼻であしらう、という感じ。


 同行した先生は、「“育ちがいい”から、威張り慣れているんだろうね」と言っていて、まさにそうなんでしょう。しかし、僕のような平民には、どうにも我慢できません。しかも、彼女は、僕らの前でこれ見よがしにそういう態度を取るんですね。つまり、「こういう態度をとれる私って、育ちがいいのヨ!」というのを我々に見せつけたい、もっというと、「こういう態度を取ることが、その人間の価値が高いという証」と、思い込んでいる、ということなんでしょう。


 まあこの手のことは、中国では珍しくはありません。というか日本でも、飲み屋のバイトのねえちゃんをオヤジがからかう、みたいな光景は珍しくないですし。しかし、こういう態度を、一見清楚な若い女性が取る、しかも、それが「いいこと」だと思っているようだ、ということに、今さらながら衝撃を受けたのでした。