承認

 家にいるといろんなセールスが来ますが、最近、身分証を持ってきたり首から提げたりしている人が多くなってきた気がします。

 これってどうなんでしょう。なんか不思議な感じが。聞いたこともない会社の人が「私は間違いなくこの会社の社員です。なので信用してください」と言ってきても、ねえ。

 とはいえ、これってヤラシイ考えではありますね。「じゃあ大会社だったら信用するってわけか」といわれると、うん、多分そうなんでしょう。あるいはお役所でもいいや。大学もそうかも。でも、例えば、僕の勤務校は地元ではまあ優良企業、信用もそこそこあるでしょうが、東京や大阪に行ったらその他大勢。「ふ〜ん、で?」で終わりでしょう。


 しかし今日の朝のワイドショーでは、例のマンション事件で提訴された県のお役人が、「でも、われわれには、そこまでチェックするシステムは整っていない」と言っておりました。

 もちろんこの発言に対して「じゃあ認可なんて意味ないじゃん」とか「そんなの無責任だ」とか文句はいくらでも言えますが、でも、こういう問題は、かなり根元的なものなんじゃないでしょうか。

 もし、自治体や役所の許認可権を強化するなら、それはつまり「大きな政府」を作る、ということです。ヒトもカネも惜しみなくつぎ込んで。そうした上で、偽装が発覚したのなら、まあ国を訴える筋も通ります。しかし、今全国的に目指されている「小さな政府」では、とくに許認可権などを減らす方向で進んでいます。だとすると、この手の「手抜き」には、あまり文句は言えないのかもしれません。


 承認って難しいですね。