みんな仲良くネ

 まあなので、最近思うのは、「民主と平和」という2つの課題って、一見同じような方向性のものに見えて、実際にはけっこう違うものなんじゃないか、ということです。

 「民主」を最重要課題にするなら、いまだ完全には民主化されていない中東や中国や北朝鮮に対して、多少の荒療治も厭わずに(軍事を使うかはまた別として)、民主化を推し進めるべきだ、ということになります。まあ彼らの「自浄作用」を気長に待つ、というのもないではないですが、しかしやはり、陰に陽に積極的に民主化を促す、という努力はすべきだ、ということになります。

(なので、何度も例に出す中国民衆の反日デモ、あれは、「民主化推進」の考えに立つならば、たんに「日本への戒め」と捉えるのではなく、むしろ積極的に「反日デモ」を「反政府デモ」へと誘導・支援すべき、という主張だってありえるわけです。朝日なんて反政府デモ大好きなわけですからね)

 しかし、日本のマスコミ、あるいは研究者も、総じてそこまでは言わない。アメリカのイラク侵攻を「仕方なかった」というメディアはごく一部です。表向きは「アメリカは国連決議を経ていなかった」というのが理由ですが、しかし仮に、決議を経て承認されていたとしても、おそらく日本のマスコミ・研究者のスタンスは変わらなかったでしょう。今度は国連を非難していたはずです。

 とすると彼らは、民主化よりはむしろ平和、「とりあえず今現在はそこそこ落ち着いた状態なんだから、あまり刺激しないようにしよう」ということなんでしょうね。

 実はこういう考えはよく分かります。僕自身は、中国研究者の中では中国に批判的な立場を取っている方だ、と思っていますが、それでも、よく最近いわれるように、「(中国に対し)いうべきことは、いう」という言い方自体、あまり好きではありません。なんかこういうのって、言う「相手方」のことを考えずに、投げっぱなし、言いっぱなし、な感じがするんですね。

 ケンカは好きじゃないです。仮にケンカするでも、その向こうに仲直りを見据えたケンカじゃないと、ダメだと思います。以前誰かのブログで、「社会運動のコツは、“味方を増やす”ことと“敵を減らす”を同時にやることだ」と書いてありましたが、けだし名言だと思います。どうもこのごろのいろんな動きを見ていると、この2つの命題のうち、前者ばかりを優先させて後者にまったく気を遣わないものが多いように思えて。

 なので、昨日の命題、「中国か、アメリカか」だったら、「どっちとも仲良くする」というのがどう考えても一番いい選択肢だと思います日本にとっては。なのに、姜さんとか朝日とかは、今にも「アメリカと断交しろ」といわんばかり。
 「どっちとも仲良くする」というのは実は小泉首相が(理念としては)唱えていることで、そういう理念自体は僕は支持します。彼への批判としては、なので、「理念と行動が全然違うじゃないか」ということになるでしょう。

 おそらく今年最後のエントリなのに、まったくまとまりありませんでした。ま、人間の考えなんて、そもそもまとまりなどないものです。と開き直り。