頑張れ、ホンコン。

 ようやく帰ってきました。しかし帰ってきた途端に高熱。これってもしや……。

 それはそうと、僕が帰国する当日(4日)、香港では、普通選挙を求める市民のデモが行われました。参加者20万人とか。台湾総選挙の、(心なしか嬉しそうな)「国民党圧勝」のニュースに押されて、日本ではほとんど報道されませんでしたが。

 普通選挙というのが魔法の道具でもないし、選挙をすればパラダイスが生まれるというものでもないということは、すでにさまざまな局面で実証済みです。例えばイラクなんかで選挙をすると、結局イスラム原理主義が勝って、再び欧米と対決、という「泥沼」に陥るのも、十分ありえるシナリオです。

 しかしそれでも、選挙というのは、欠かすことのできない〈近代〉の一里塚(の一つ)、なんだと思います。結果がどうであれ、あるいはそれがかえって居住民を不幸にする可能性もあるものであれ、やはりこれを前提としないと〈近代社会〉は成り立たない。〈前近代社会〉と〈近代社会〉とどっちがいいとかそういうものではなしに、これはもう絶対の前提になるべきものである。そう考えます。

 そういう意味で、香港の人たちにはぜひ頑張って欲しい。いっぽうで、中国に関してこの問題(普通選挙を実施しない・しようともしない・一党独裁)に目をつぶり、「融和」を盾に国民党勝利をマンセーしひたすら中国賛美の記事を書くマスコミや研究者は、ぜひもう一度この問題を考えてもらいたい。不遜にも、そんなことを思ったものでした。