県民性

 僕は「県民性」みたいなのを論じるのがそんなに好きではないのですが、でもそういうのがあることは認めます。

 で、高知新聞に連載していた(多分共同通信配信)「楽天元年」という記事を読んで、宮城人として、ものすごく頷けたものでした。

 ご存じのように楽天は今年負けに負け(でも、個人的には、思ったよりも勝った、という印象ですが)、とうとう監督も解任されてしまいました。しかし観客は、負け続けてもそこそこ入り続けたし、しかもどっかの在阪球団のファンみたいにタマゴ投げたり「謝らんかい!!」みたいなヤクザまがいの恫喝することもないし、オマケに他球団の応援団が来たりしても一緒になってワイワイやっている、という状況だったそうです。

 もちろん、突然天から降ってきたような球団を、そこまで必死になって応援するゆわれはない、ということもいえるでしょうが、そもそも宮城人は、勝負事にそこまで本気にならない、淡泊な人間が多いんじゃないか、と思います。まあのんびり楽しくやろうや、と。今年の楽天関係でファンが怒った一番の(ほとんど唯一の)ことは「監督解任」だった、というのが非常に示唆的だと思います。「俺たち楽しくのんびりやっているのに、勝負事だとか儲けがとかで、なんで邪魔するんだYO!」という思いから、だったんじゃないでしょうか。

 僕個人にも、それはものすごく当てはまります。スポーツを見るのが唯一の趣味といっていいくらいほとんど何でも(とくに球技は)見ますが、しかし自分でも不思議なくらい、「好きな球団」ってないんですよね。たまたま見ていてどっちを応援する、というのはもちろんありますが、でも基本的には「ゲームを見る」、という感じです。これまた、以前「熱狂的ファン」というのに憧れて、無理やりある球団を好きになろうとしたこともありましたが、相変わらず挫折しました(なので当然、楽天ファンでもありません)。

 なので、次の監督があの人というのは、ちょっとねえ、という宮城人が多いんじゃないでしょうか。そりゃ負けるよりは勝った方がいいけど、別にそこまで勝敗にこだわらなくても。僕自身、「勝ち負け」という二項対立は、本当に苦手です。どんな勝負事も、どんなに頑張っても、2分の1は負けなんだから、もっとのんびりいきましょうや。

 宮城から偉人・有名人が出ないのは、そんな淡泊さに原因があるんじゃないでしょうか。ほんと、街の規模と比較しても、有名人ってビックリするくらいいないですよ。