期待値

 レンタルビデオ屋(近くの○SUTAYA)をブラブラしていた時、ふと不思議な感覚に。

 ビデオを借りたり本を買ったりする時、内容が分かっているものを借りたり買ったりする人はそうはいないでしょう。中には、以前見た映画をもう一度、という人もいるかもしれませんが、その場合にも、1回目の時には、「内容が分からないままに、見た」はずです。

 しかし、とはいうものの、中身がどういう内容かをまったく知らずに見る人も、そんなにいないはずです。もし○SUTAYAでそれをやろうとしたら、「目をつぶって適当に歩き回り、立ち止まって手を伸ばしたところのものを選ぶ」という行動になるんでしょうか。実は僕、以前レンタルビデオ屋でちょっとの間こういう行動を取ったことがあるのです。それは、昨日書いたように、「映画オタクになりたくて努力をしていた」時でした。まあしかし、よっぽど時間の有り余っている人(&物好き)じゃない限り、こんな行動は取りません。

 つまりは、「内容をある程度は知っていて、でも全部は知らない」という微妙なバランスの元に、本やビデオって選ばれているのだなあ、と、妙な感慨に襲われたものでした。

 特定のベストセラー(竿竹とか電車manとか下層社会とかジコチューとか)が売れまくる秘密って、そこにあるんじゃないでしょうか。研究者みたいな暇人ならいざ知らず、普通の人は、本選びに、時間も金も、そうそうかけるわけには行きません。「何か見たい・読みたい、でも、いろんなレビューを読んでいるほど暇でもないし、かといって失敗はしたくない」という人々にとっては、「すでに売れている、話題になっている」もの、つまり、「誰かがすでに選んでいるもの」を選ぶ、というのは、理屈にかなっていると言えるんじゃないでしょうか。月に1冊本を買うとしたら、そうそう冒険をするわけにも行かないので。

 とはいえ、話題作を選んだからといって、ハズレがないといえないのが怖いところ。昨日見た映画も、超脱力系。そりゃないぜ、というオチでした。