大もめ。

 なにやら揉めているようです。
 http://d.hatena.ne.jp/yukihonda/20051103
 労働経済学みたいなのに関してはズブの素人なので、僕も「引っ込んでろ」といわれそうですが(百万が一ココを読めば、の話)、しかしこの噛み合わなさは、かえって、階層分化みたいなのを表しているような気もします。

 内田さんが念頭に置いているのは、「しゃかりきになって働かなくても何とかなる階層」、一方本田さんの方は「一生懸命働かなくては食っていけない階層」なんでしょう。

 内田さんの周りの若者が「働かなくても……」という階層で占められているんだろうなあ、というのはちょっと前に書いたとおり。そして、世の中そんな有閑階級ばかりではない、というのも書いたとおり。

 じゃあやっぱり本田さんの方の味方か、というと、そう簡単でないのが難しいところです。同じ人文系だから親近感がある、というのもあるかもですが、しかし、本田さんのいうように、「仕事がない(そういう社会が悪い)」→「働けない」という事例ばかりではないのも、事実なんじゃないのかなあ、と思うからでしょうか。

 でも、本田さんの主張には、基本的に賛成です。彼女は「普通高校を全部専門学校にしろ」という過激な主張をしていて、その線で行くと大学も実学指向、僕のような人文社会系なんて真っ先にお取り潰しに合いそうですが、まあ仕方ないかな、と思います(あっさりと)。霞を食って生きるわけにも行かない限りは、「学問の自立がどうの」、「大学教育における教養がこうの」言っている場合でもありません。

 世の中には自分が所属する学問分野を批判することに批判的な方々もおられて(マッツァリーノさんに因縁を付けたこれとか)、文学で食っていながら文学要らないとか言う僕なんて国賊ものかもしれませんが、内部だからこそ言えることもある、というものです。