急募

 昨日、「危情少女」という中国映画をVCDで見ました。これは、「中国で初めての、本格的ホラー」という名目で公開された、10年前の映画です。一昨日の日記に書いたように、最近「中国ホラー」づいているにもかかわらず、この記念碑的(といわれている)作品についてはこれまで見ていなかったのでした。

 ところが……

 このVCD、字幕が付いていません(日本語はもちろん、中国語も)。しかも、登場人物がみんな、セリフをボソボソとしゃべるんですね。なので、細かいディテールとか最後の謎解き(があるんだそうですが)がさっぱり分かりません。
 しかも、普通の中国VCDと違って、ストーリーやネタバレをジャケットでも説明しておりません(これも一昨日の日記参照)。いつもはしなくてもいいネタばらしをしているくせに……と八つ当たり。

 ネットでもあれこれ探してみたのですが、モノがモノだけに、さすがに最後の謎解きまでネタバレしているようなサイトはありません。


 というわけで、読者の方で、この作品のネタについてご存じの方(去年日本でもひっそりと公開されたようなので、日本語字幕をご覧になった方も、もしかしたらおられるかも)、ぜひ僕にネタバレしてください。なんかこうモヤモヤして、食事も喉を通りません(ウソ)。


 学生さんとの読み会。今日は「マラ詩力説」。話題はそこから彼の卒論の方へも進み、彼の卒論テーマ「魯迅の民衆観(仮)」について、僕自身も深く考えさせられることになって、大変有意義でした。

 彼にも読んでもらいましたが、僕はこのテーマでは、というか今まで読んだすべての論文の中で、溝口雄三「知識人のえがく農民像」(東京大学文学部中国文学研究室編『近代中国の思想と文学』大安、1967)が一番好きです。僕が生まれる前の論文ですが、今でもまったく古びていないと思います。僕が今までに書き散らしたものはすべてこれにインスパイアされたといっても過言ではありません。

 学生さんも、僕の思うとおりに読んでくれた様子(これがいいのかどうかは分かりませんが)。