ジャケット

 もう10月も半ばだというのに、いまだにクーラー生活。寒暖の差が激しいんですよね。明け方は結構冷え込んできましたが、日中は半袖でOK。


 昨日、中国で買ってきたVCDを見ました。映画自体はまあまあといったところでしたが、面白かった(のか?)のは、そのVCDのジャケットの裏面に、話のストーリーがすっかりそのまま、最後の落ちまで書いてあることです。中国ではこういうことが非常に多い。最後に誰が死ぬとかも全部書いてあったり、あるいは(昨日の映画のもそうでしたが)ジャケの説明を読んで「ああ、あの場面は、そういうことだったのか」が分かったり。

 中国でVCDやDVD、CDのお店をブラブラとのぞいていると、たいてい店員が寄ってきて、「ニーヤオシェマ(なにがほしいの)?」と聞いてきます。これ、僕なんかいつも疑問に思うのですが、例えば「○○(俳優)が出てるやつ」とかならまだ分かりますが、「××が欲しい」と確固とした目的が無く、ただぶらぶらと見てみて、面白そうなのを物色する、という場合には、どうやって答えればいいんでしょう。「サスペンスもので、最後の最後に犯人が分かるやつ」とか答えて、それに対し店員が「じゃあこれだ、ほら、ジャケットを見てみ、これの犯人はね……」とかなるんでしょうか。

 僕のインチキ文化論によると、中国の方が、日本より、「予想の付く展開」を好む傾向にあるように思います。逆にいうと、中国は、不条理劇とかサスペンスのように、結果が予想できないものが苦手、というか。例えば、今、ゆえあって中国ホラーをあれこれ見ているのですが、中国ホラーでは、「なぜ襲われるのかが分からない」敵とか幽霊というのはほとんど出てきません。みんな、きちんとした理由の元に、ちゃんとした前フリのあとで、出てきます。

 まあこのあたりの「日中幽霊文化論」は付け焼き刃で何か語れるものではないでしょうが、ちょっと面白いテーマかも、と思った次第です。