難しい問題。

 小泉参拝反対派の理屈は、だいたいこの二つのどちらか、あるいは両方です。

 ・近隣諸国への配慮。
 ・憲法違反。

 で、この二つの理由って、結局は他律的な気がするんですよね。「中韓に悪いから」とか「憲法でダメっていっているから」というのは、「お母さんに怒られるから、イタズラしない」という子供の理屈と似ている気がして。


 話はちょっと飛びますが、はてなの質問コーナーで「どうして人を殺してはいけないのか」というのがひとしきり話題になっておりました。この問題は数年前にブレイクして、いまだに確固とした答えは見いだせていないようです。結局は「捕まったら困るから」とか、「死体の処理に困るから」(!)とか、そういう他律的な答えしか有効なものにはならないようです(この場合、「人を殺すなんて、とんでもない。そんなの人間じゃない」みたいな「情緒的」な回答は論外です)。


 靖国問題も似ている気がします。反対派としては、結局は理由を外部に見いだし、「そうなっちゃ困るでしょ?」という風にしか論理を持っていけない。「絶対に参拝はいけない」という理由を内在的に見つけるのは困難です。

 こんなこと言っている僕も、反対派です。その理由は、まあ前者ということになるでしょうか。商売柄、あまり中国と波風たてるようなことはしてほしくない。しかし、じゃあ、仮に中韓はじめ近隣諸国が怒りの声を挙げない、なんの反応もなかったとしたら、あるいは、憲法違反というなら、憲法を改正して合憲としたら(または「合憲判決」がでたら)、それはゴーサインが出た、ということなのか。

 これまた、「答えを出すのが困難な問題」です。