意外

 中国語の授業の第1回目にはたいていアンケート(「知ってる中国人を3人書け」とか)を取るようにしていて、今年はその中に「日中関係についてどう思いますか」という質問を入れたのですが、その回答は「やっぱり日中は仲良くすべきだ」というものがほとんどでちょっと意外。昨今の風潮から察するに、てっきり「もう中国とは断交だ」とか「あんな国とはつき合えない」とかいう意見が多数を占めると勝手に思っていたのですが。こっちも何となくホッとしたりして。

 まあ、「中国語の教師はどうせ中国大好きなんだろうから、おべんちゃら使っておけ」という意識が働いた可能性ももちろんありますが(それにしても疑い深い教師です)、でも一応「正直に書きなさい。別になに書いたって「こんな学生は受講を認めません」なんて言わないから」と念押ししてるし(当たり前ですが)、とすると、一見過激なように見える、というか報道されている最近の若者も、実はけっこうバランスが取れているんじゃないかとちょっと頼もしく思えます。

 あとはもちろん、「中国語を選んだような学生に中国嫌いが多いわけがない」というのもあるでしょう。中国大嫌いならドイツ語かフランス語を取ればいいのであって(うちの第2外国語はこの3つから一つ選択です。今流行の韓国語もあるにはありますが教養科目の1つ)、なにも好きこのんで「敵国言語」を学ぶ必要はありません。


 ちなみに「もう日中が仲良くするのは無理だと思う」という一番冷徹?な意見を書いてきたのは女性でした。まあ確かに、こういう意見もじゅうぶんアリだとは思います。


 また話変わって。大学教師のブログをいろいろと眺めていると、けっこう面白い。
 大きく分けて2種類あって、つまり、自分の名前を明かしているか、明かしていないか。

 それはともかく、みなさん本当に忙しそう。これが大学教師ブログの特徴といってもいいんじゃないでしょうか。
 今日は会議が3つあってそのあと徹夜で研究会の発表の準備をして、おお気がつけば出勤の時間だ。今日は寿司屋で学部長とケンケンガクガクの議論、どうすれば授業がよくなるかを話し合ったがすれ違い。今日はゼミ。8人の発表を聞いてコメント出してたら疲労困憊。でも論文の締切がもうすぐだから寝るに寝れない……。

 ひどいの(という形容もひどいですが)になると、そういう忙しさを数時間ごとにレポートするブログもあったりして、「ブログなんて書いている暇があったら、仕事進めた方がいいんじゃない?」といらぬお世話を焼いてしまいたくなります。他の業種の方々が書くブログって、けっこう余裕のあるものが多いんですが、どういうわけか大学教師のブログって、「オレって忙しいでしょう?」自慢系のものがやたら目に付きます。

 勝手に想像するに、大学教師って世間的には暇だと思われている(というか、実際暇です)。これって、それなりにコンプレックスに思っている人が多いんじゃないでしょうか。大学教師の、民間にいる友達って、やっぱりプー太郎とかは少なくて、まあそれなりの企業でそれなりに勤めていらっしゃる方が多い。で、たまに会っていろいろ話を聞くと、「いやーオレ最近夜12時前に帰れることなんてほとんどないわ。休日も出勤だし。お前は?」「いや、まあ、うん…」てなことになって、けっこう引け目を感じたりする。だから、ブログで精一杯自分の忙しさ、「オレだって寝る間もなく働いているんだぜ」というのをアピールしたがるんじゃないでしょうか。


 こんな推論は余計なお世話かもしれませんが。