自分から

 明日から後期の授業開始。しかも月曜の初っぱなから「大学で学ぶとは」などという壮大なテーマで話さなければなりません。

 と書いたものの、別に「このテーマで話せ!」と上から命令されたわけでも何でもなく、自分で勝手に背負い込んだ荷物なわけですが、とはいえ僕的には、細かい自分の研究テーマを講義するより、こういう抽象的なテーマの方が好きだったりします。なにしろ僕のやっているテーマというのが、いわゆる「文学研究」というものからは遠いものであり、かつ僕にはスタンダードな「文学研究」に関する知識もないので、いっつも困ってしまうんですよね。うちの大学で文学をやろうとする学生は、やっぱり「文学青年男女」が多いもので。

 そこいくとデカいテーマではそうした悩みとは無縁、ではありますが、これはこっちの都合。学生がこういう抽象的なテーマに食いついてくるかは分かりません。しかもこの場合、「学生がこういうデカいテーマが好きか」と、「仮に好きだとしても、このテーマに関する僕の講義が果たして分かりやすいものか」という、二つのハードルがあるもので。