物語vs.物語

今はこの本を。



このなかで、物語が重要なキーワードになっています。つまりは、「社会の物語化」への抗い。

ここのところ、物語が巷に氾濫しています。就活も地域活性化も、もう全部物語。要は物語マーケティングです。ストーリーにしてわかりやすく話せ。そうすれば客は食いついてくる。

……という動きを批判している。ものすごくまとめてしまえばそうなると思います。


しかし一方、物語研究の本家といえる文学研究は、こうした「社会の物語化」の議論に、やや冷淡というか蚊帳の外なんですよね。賛同であれ批判であれ、それに関与していくという動きは、あまり見えない。

むしろ同書のように、社会学なんかから、「社会の物語化」にどう対処するべきか、という議論が起きている。

別に文学に絶対に関与しなきゃならない義務があるわけではないですが、そのへんをどう架橋するかという論文を、今書いてまして。という宣伝。