折り合い

この季節、「4年間お世話になりました」と学生がチラホラやってくるわけですが、いつもながら、いろいろと考えるです。

学生−院生時代、ずっと勉強していたのは、好きなことでした。好きなことを好きなように勉強してた。それが面白かった。

教員になってそれを教える段になって、ふと気づいたのは「これ、面白いの、オレだけじゃね?」ということ。

オレが面白いことを他人が面白いと思うとは限りません。というか面白くない場合のほうが多いかもしれない。

そりゃそうです。世の中には星の数ほどの「趣味」があるわけです。カメラが好きな人もいれば、温泉が好きな人もいれば、サッカーが好きな人もいれば。赤の他人でそれが重なり合う可能性は決して低くはないですが、高くもない。

それと同様、中国文学のそれも狭く細い部分が好きなオレと好みが合う人など、そういません。ということに気づきました。


で、どうするかは、2つ。1つは、こっちを向こうに合わせる。教える領域をできるだけ広くとって、引っかかる人を少しでも多くするようにする。

もう1つは、向こうをこっちに合わせる。つまり、オレの分野を好きになってもらうよう、頑張る。

2つといいましたが、結局は1つですね。要は、こっちを変えるわけです。


……そして試行錯誤を続けて13年。実は今まで学生に「オレの授業、面白かった?」とは、聞けてないんですよね。回答が怖い。まあそりゃ本人を目の前に「つまんなかったっす」とは言えないでしょうが、それでも怖い。


とにもかくにも、卒業おめでとう!