内向き指向
世の中、内向きになってきてますよね。
いくらグローバル社会になっても、というかグローバル社会になってきている(といわれている)からなおさらなのか、内向き指向が強くなってきています。
なにしろ、街おこし全盛です。大学でも、とにかく地域。地域と名がつけば何でもいい(これほんと)。とにかく地元のことをやれ。
そりゃ、内向きにもなります。
私、この10年ぐらい、某所で市民講座を年2回、やってたです。
連続ものの1回を担当、という形。
中国文学について話していた。
ところが、去年ぐらいから年1回になり、今年はついに声がかからなくなりました。
もう当たり前のように「次もお願いします」と連絡が来るものだと思って、「あれ今年は遅いなあ」と思っていたら、結局連絡なかった。
まあもちろん、これは1回ごとの契約なので、声がかからなくなったらそれまでです。別に向こうが悪いとか失礼だとかいうわけではない。
ただ私も気になって、「じゃあ代わりに誰がやってるんだろう」と思ってHPをのぞいてみると、プログラムには見事、「地元ネタ」が並んでいるんですよね。壮観。
聞きに来るのは高齢の方が多いのですが、「(おそらく)地元に何十年もずーっと住んでいて、今さら地元のこと、知りたいと思うのかなあ」「知らないことを知る方が、楽しくないのかなあ」と思うのですが、ただ「知ってることを知る」方が楽しい、という気持ちも、わからなくはないです。今さら中国のことなんて知りたいと思わない。それより、慣れ親しんだ土地のことを知るのが楽しい。みたいな心理。
でもお年寄りはまだしも、若者がそういう風に育ったら、ちょっと問題じゃないかなあとは思うのですが、でもそうなっていくだろうし、また「お上」はそれでいいと思っているのかもしれません。繰り返しますが、地域と名がつけば何でもいい、みたいな状況ですので。