悩み

人に教える仕事をしていて思うのは、「教えること/教えるべきこと」と「教えることのできないこと」を分けることって、難しいよなあ、ということ。

例えば、知識であれば、そりゃ教えられます。どんな知識でも、知らないよりは知っていた方がいいですし。

しかし、ものの考え方って、ちょっと違うかなあ、と。

例えば、オレ、基本マクロ派です。マクロで物事を考える。「で、何が言いたいの?」「で、結論は?」が口癖。「いいたいことを三行でまとめて」みたいなのと非常に相性がいい。

で、学生にもそうやって指導しています。発表も、「この小説を三行でまとめてから、いいたいことをいえ」と。


ただいっぽうで、それは本当にいいことなのか、という思いもあるのです。上からまとめようとする大きな力に抗い、ミクロの目線で小説や物事を見つめるべきだ、みたいに。むしろ文学業界ではそっちが主流でしょうか。

個人の資質もあります。いいたいことがハッキリまとまらない・まとめられない人がいます。研究者でもいます。むしろ「三行でまとめるなんてけしからん」「そんなの(文学)研究じゃない」という人だって、いるでしょう。


とか考えると、「まとめさせる」ような授業をすることは本当にいいことなのか。なかなか悩むです。