特徴的

文学の論文を書く時、作家にしろ作品にしろ、特徴を挙げるわけです。

この作家にはこういう特徴がある。この作品はこういう特徴がある。

特徴というくらいなので、いうまでもなく、他とは違うことが大前提です。世界中で彼一人、とはいわないまでも、10人中、そうですねえせいぜい2人まで、ですかね特徴たりえるのは。10人中5人に当てはまるのを特徴とはいえないでしょうし。「彼は男であるのが特徴だ」とか無理。

なので作家・作品の「変わった点」を一生懸命探すことになるのですが、これがなかなか難しいんですよね。
「これが特徴になるかな」と思っても、「あ、でもあの作家もこうだしな」と、「同類」がいっぱい出てきてしまう。

もちろん、極端にいえば、魯迅魯迅しかいないし、夏目漱石夏目漱石しかいません。そういう意味で、「これは魯迅だけの特徴だ」」といおうとおもえば、いえます。

ただ、そのレベルだと、何かをいったことにはならないですよねえ。「オレはオレしかいない」と威張ったところで、「ああそうですか。私も私しかいません」と返されて終了。


ことほどさように、個性なるものって、そう簡単に探し出せるもんじゃないんですよ。世界に一つだけの花というだけでは、何の個性にもならない。


オレ、ある時期から、「オレの個性って何だろう」というのをあれこれ考え続けているのですが、この癖、文学研究をし始めたから、かもしれません。ほんと、オレの個性って何だろう。