人と人との距離

日本のネットでもニュースになっていましたが、地下鉄で外国人が倒れたら乗客みんな逃げだしたというニュース、こっちのテレビでもよく流されています。

その関連で。この前テレビで「碰瓷(当たり屋)」についてやっていました。これまた日本でも話題になっていましたが、たとえば倒れた老人を助け起こしたら「こいつが私を押したんだ!!」と騒がれ裁判で負けて賠償、みたいなの。これを「碰瓷」といいます。

で、テレビでは道行く人にインタビューして「「碰瓷」経験はありますか?」と聞くと、「車に乗ってたら自転車で突っ込んでこられて、ケガしたから医者代払えと騒がれた」とか「交差点で老人が転んだから助けたら騒がれた」とか、けっこうみんなしゃべっている。

まあこれもやらせとか、かたっぱしから声をかけて答えたのが数人だとかいう可能性もありますが、今現在、中国社会でこういうのが全くの他人事ではない、というのはいえるでしょう。

冒頭の外国人を助けず逃げだしたのも、「面倒なことに関わりあわないようにする」という心理なのでしょう。
※ちなみに、日本だったらどうですかね?私が電車に乗ることってほとんどないのですが、以前、東京で、満員電車を降りた途端座り込んでしまった女性に、誰も声をかけず(ええ、私も)放置していたのを見ても、そんなに変わらんとは思います。


これだけなら「中国は大変な社会だネー」で終わるのですが、しかし一方で、中国に行ったことのある人ならみんな同意すると思いますが、中国って、人と人との距離がすごく近いところもあるんですよね。

昨日も。バスに乗ってたら、あることをきっかけに、乗客と乗務員がすごく親しげに話しだしました。乗務員のおばちゃんは、乗客に、いかにひどい乗客がいるか、自分はそれにどう対応しているかを、事細かに話し出したのでした。話すのが早くて半分ぐらいしか聞き取れませんでしたが。

それに、乗り物で老人や妊婦に席を譲るのも、間違いなく中国のほうが自然だし、速攻。


でも、中国が、「見知らぬ人」にはすごく冷淡というのも、また事実。

日本みたいに「基本みんなに冷たい」ならいいのですが、中国の「人と人との距離感」って、面白いなあ、といつも思うです。