酷い話

日本にいる中国人がよく「日本では中国の悪いニュースだけ報道する」とボヤいているわけですが、中国でニュースを見ていると、いやいや、中国国内でも自国のえげつないニュースをいっぱい報道してるやん、むしろ日本で報道するのは穏健なものを選りすぐっているんじゃないか、という気すらします。


たとえば重慶で見たニュース。甘粛から重慶に夫婦で出稼ぎに来て20年の張さん夫妻。休日に2人で市場に買い物に来たら、入り口でサンダルを売る若者に付きまとわれる。「同じ外地人じゃないか」という言葉に負けて50元で購入。それを持って市場をうろついていたらある靴屋の前でそこの主人に「あっその靴はうちの商品だ!お前盗んだな?これは200元だ、200元払え!」と怒鳴られる。言い争いになりやがて殴り合いになり、張さんが殴り倒されたところにトラックが通ってはねられて張さん死亡。とか。

あるいは、これは中国ではよくある事件ですが、王さんが通りを歩いていたら上からアパートのベランダがそのまま落ちてきて当たった王さん死亡。遺族が賠償を求めるも、アパートの住人、建設会社、管理会社ともに「オレは悪くない、わるいのはあいつだ」と責任をなすり合ってラチ開かず、とか。

この手の「酷いニュース」を朝から晩まで延々やってます。


なんか、テレビニュースがネット化してきている印象。こういうネタ、中国でもやっぱり需要があるんですかね。各局が競い合って「このニュースの方が酷い」「いやこのニュースの方が」とエスカレートしてきているみたい。

ちょっと前までは中国のニュース番組は「何とか長がどこを訪問した」とか「何とか書記がどこを視察した」とか、そんなニュースがほとんどだったわけです。なのでまともに見たことはあまりなかったのですが、最近はむしろこっちがメインになっている感じです。で、こっちの方が面白い。


でも、見ている中国人はどう感じているんでしょうね。オレは人ごとなので不謹慎にも面白く拝見してますが、中国人も、まあ人ごとなのかな。