後出し

昨日はこの本を。


香港の声

香港の声


基本的にマクロ好きで、下界を上空から俯瞰するような見方が好きなのですが、一方でこの手のライフヒストリーとか市井のインタビュー的なものも好きなのが我ながら不思議です。でも「偉い人の伝記」は嫌い。好き嫌いが激しいですね。


しかし「返還前における香港人へのインタビュー」を今見るのほど「後出しジャンケン」なものはないですね。とはいえ、後出しジャンケンがなかなか気分がいいのは事実。この本に出てくる人たちからすると、オレは「タイムマシンを持っている人」。「いやいや、キミの読みは甘いよ」「それは買いかぶりすぎ」とか、あれこれ言いたくなったりします。
で、「返還によって香港は終わる」と「ますます発展する」がほぼ同数。結果はというとご覧の通りですが、とはいえ「ますます発展する」派の多くが「中国共産党指導部の良心・能力」にその根拠をおいているのが微妙なところではあります。う〜ん、能力なんかこれ。「中国は香港のようにどんどん自由になっていく」というのんきな欧米人もいましたが何が根拠だったんだろう。


というわけで痛み分けかな。繰り返しますが究極の後出しジャンケンです。今オレが「10年後の日本を予想しろ」といわれても分かるわけがないのと同様。