Yes, and...

最近、グループワークとかチームビルディングとか、その手の講習を受ける機会(あるいは受けているのを見る機会)が多いのですが、そこで必ず強調されるのが、「相手の言うことを否定しない」ということです。

つまり、何かを話し合う時に、チームメイトが「こうじゃないかなあ」と言って、それに「いや、違うよ」とか「それじゃダメだよ」と言っちゃダメ。「うん、そうだね、あるいはこういうのも…」とつなげる。英語だと、「Yes, but...」ではなくて「Yes, and...」でつなげなさい、ということ。

これ、実は、最近の授業やゼミでも実践しているのです。なるべく言下に否定せずに、「なるほど、そういう考え方もあるか」とひとまず受けてから、「でも、こうだとしたら、どうだろう」と、話題を広げてみたり。


とはいえ、これ、オレらが、とくに院生時代に受けてきたような教育とは、真っ向から対立しますよね…


人文系(に限らないのかもしれませんが)の大学院、「これこれこうじゃないでしょうか…」と発表すると、教員や先輩が、「えっ、何言ってんの?」とか「なんでそうなるわけ?」とか、あげくは「全然ダメ、やり直し」とか、強烈な「否定の言葉」で返ってくる、なんてごく普通の光景です。というかこれ以外にあり得ない(あり得なかった)。「うん、そうだね、いい線いってるよ。あとはもう少しここを膨らませて」とか、そんな優しい言葉など、かけてもらったためしはないし、またかけた覚えもありませんでした。

当時はそれが普通だったし、また「鍛えられてこそ強くなる」みたいな風潮も普通だったし。


まあそもそも「チームビルディング」と「院生の勉強」では目的が全然違うのかもしれませんし、またそういう意味では、オレがゼミで「否定的なことはなるべく言わない」のは「仲良しグループを作るという効用しかない」のかもしれません。まあでも、ちょっと考えるです。


こんなことを考えるのも、今、院生時代を過ごした札幌にきているから、なのかもしれませぬ。