満を持して

満を持して、いよいよ、あの事件を論評します。


……なーんて、まあ、ほとんどの方が思っているように、「騒ぎすぎ」、に尽きるのですが。


しかし一部の「ちゃんとした対策をとらなかった大学が悪い」論を見て思ったのは、人間には、「何か起こる前に考える」派と、「何か起こってから考える」派の、2種類の人間がいるんだなあ、ということでした。


で、オレのように「根っからの後者」からすると、前者が、鬱陶しくてしょうがない。前者タイプは、「あらゆる可能性を考える」ことに、文字通り心血を注ぐ(ように見える)。会議でも、「こんなことは起きないでしょうか」「そうしたらこんなことになっちゃわないでしょうか」とか、延々議論する。

そのうち本気で「宇宙人が攻めてきたらどうしましょうか」とか言い出すんじゃないかと、期待を込めて眺めています。


もちろん、こういう議論が完全に意味がないわけではありません。というか、必要です。それは分かっています。でも、これはもう、身もフタもないのですが、性格なんでしょう。その手の議論にはまったく興味が持てない。

よく、「商売を始める時、“どのぐらい儲かるか”から考えるタイプと、“どのぐらい費用がかかるか”から考えるタイプの、2種類いる」とか性格判断に出ていますが、オレは圧倒的に、「儲け」を考えるんですよね。「プラス」を考えるのは大好きですが、「マイナス」を考えるのは苦手ですわ。ま、そもそも商売には向いていないんでしょう。


……というわけで、「試験の時に起こりそうなあらゆる可能性を考えておくべき」というのは、まったく違うとは思わないものの、費用対効果とか、「受験生を見たら不正をしていると思え」的な対応をとることで生じるさまざまなマイナス効果を考えると、どうなのかなあ、と。犯罪(今回の事件が犯罪かどうか、はひとまず措くとして)とその対策なんて、結局は「いたちごっこ」なんじゃない?で、「いたちごっこ」でいいんじゃない?と思うのですが。


……まあ、一番の心配事(そしてかなり高い確率で実現する)は、来年度の試験監督業務のマニュアルがさらに分厚くなり、説明会の時間も延びること、なのですが。