コネ
週末はキャリア関係のお仕事で東京へ。
行きの飛行機では、これを読んでいました。
- 作者: 石渡嶺司
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/10/16
- メディア: 新書
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さすがに面白かったです。
この本はQ&Aの形をとっているのですが、その中で、「親に「知り合いを紹介してやる」と言われているが、コネを使うようで気が引ける」という就活生の悩みが語られていて、それに対して筆者は「それぐらいなら、コネにはならないのでは?」という回答を提示しています。
「コネ」だってべつにいいじゃん、ではないんですよね、回答が。「コネはダメ」というのを前提としている。
それを読んで、日本って、「コネ」に対して、ものすごく忌避感があるんだなあ、と改めて思いました。
ふだん「関係(クワンシ)」バリバリの社会を扱っているので、新鮮です。最近、中国の大学生就職事情を扱った本もいろいろ出ていますが、そこで語られるのは、「コネがないと就職できない」という社会の姿です。学歴だけあったってなんの役にも立たない。偉い人の子弟じゃないと、結局は「良い仕事」にはつけないし、むしろ学歴がいろんな意味で邪魔をして、就ける仕事の幅も狭まってしまう。
いろいろなコストとかを換算すると、どっちが「良い」社会なんでしょう。一見日本社会の方が「公平」に見えますし、「実力社会」でもあるように思えます(「実力社会」が良いものだ、という前提に立てば、ですが)。ただ、度が過ぎた「公平」には、やはりデメリットもあるように思うのですが。「公平」を維持するには余計なコストもかかるだろうし。
まあたぶん、大事なのは、「実際に公平かどうか」よりも、「公平感」なんでしょうね。