研究の鑑

オレ自身が「(人文系の)いい研究」だと思う条件は2つあって、


1.言っていることが正しい
2.面白い


1は言わずもがな、かと思いきや、そうでもないんですね。前提からして「そら違うやろ」というのって、けっこうあります。
で、2ですが、固〜い研究、コツコツとした基礎研究は、もちろん立派な業績ではあるんですが、正直それ自体で素晴らしいとはあんまり思えなくて。基礎的作業をした上で、何がいえるか、でしょうやっぱり。


で、「面白い」も2種類あって、


1.今まで誰も言っていない
2.今までの常識を覆す


ですがこの両者なら断然2です。1の場合、「今まで誰も言う価値がないと思っていたから言わなかっただけ」である可能性があるし、事実そういうものも多いんです。やっぱ2でしょう。


そういう意味で、これなんか、まさにドンピシャですわ。


日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)

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いやすげー面白かったです。いわゆる「研究」ではないんでしょうが、やっぱこういう仕事に憧れます。

しかし面白い反面、暗澹たる気分にもさせられます。既得権益層の桎梏をうち破ることって、できるんですかねえ。そしてオレもその既得権益層の一人だと、言えなくはないわけですし。