思い出すのは

ふと、留学中の一事件を、思い出しました。


大学の正門前にあったウィグル人経営のラーメン屋。店員もウィグル人。気さくないい人たち。オレも常連。

ある日、オレがその店で食っていると、漢族の客が来店。大学の先生と、その学生数人と思われる。

それぞれ注文。

麺が来る。

漢族の先生、店員が見てないすきに、厨房のカウンターに置いてあった具材を勝手に自分の麺に入れる。

店員が見つけ、激怒。「それは泥棒だ!」

先生、謝るでもなく舌をぺろりと出して平然と食い始める。学生たち、「それは言い過ぎだ」「別にいいじゃん」と口々に擁護。


事件は乱闘になるでもなく、ここで終了。「おいおい、学生の前で先生が盗人の真似事かよ」と呆れたものでした。もし乱闘になったら、オレ、ウィグル人のために戦うか、とすら思いましたよ。せめて「お前たち漢族は、ウィグル人の土地を盗むだけじゃなく、モノまで盗むのか!」とか言いたかったのですが、「あれ、でもそれは中国語でなんて言うんだろう」と考えていたら時機を逸して尻すぼみになってしまいました。まあでもそれぐらいムカつきました。まあ当時は若かったし、バカだったし。


ふと思い出しました。別にだからどうということはありません。まあよくある、一風景です。