教えたがる生き物

最近、本とか、あるいはブログでも、よく「○○入門」とか、あるいは「○○を学びたい人に薦める入門書10冊」とか、(頼まれもしないのに、というと言い過ぎかもしれませんが)書いている方、いますよね。

別に悪いことじゃない、のは当然ですし、むしろありがたいことではあるのですが、ただ、こういうのを見ていると、「学ぶ」というのと「教える」というのは、一見別の要素に見えながら(というか、「教える」ためには「学ぶ」ことが不可欠ですが、「学ぶ」は「教える」を、直では導きません)ほとんど一体なんだなあ、人間って、やっぱり「教えたがる生き物」なのかなあ、とか考えます。

授業のために、とかは別として、まるで「教えるために学んでいる」、ようですらあります。


で、親の心子知らず、とでもいいましょうか、往々にして、「本当の初心者」は、この手の「入門」とか「10冊」とかで学ぼうとは、しないものです。

ってか、そんなのを学ぼうという欲求すら、湧かないんじゃないでしょうか。

「○○入門」というのは、ある領域を知識の枠組みとして認知しなければ、生まれません。そして、「ある領域を知識の枠組みとして認知」できるようになるのは、「(他の領域で)ある領域を知識の枠組みとして認知」したことのある人、つまり(オレみたいな似非も含めて)インテリに、限られるんじゃないですかね。

なので、本当の初心者が(嫌々ながらでも)「○○入門」を読んでも、たいてい「よく分かりませんでした」で終わる、場合が多い。


そして、本当の「頭のいい人」は、こんな入門書など読まなくても、自分でスイスイと進んでいっちゃう。


なかなかうまくはいかないものです。な〜んて偉そうですが。