手の届くものだからこそ

ある中国文学史の本を読んでいたら、


唐代、科挙が一般的に

「官」が身近なものになる

庶民の間に、「官」に対する反発が芽生える

アウトロー小説が流行


みたいな流れが書かれていました。


ここまで単純に割り切っていいかはともかく、「手の届くものだからこそ反発・嫉妬する」というのは、よく分かりますね。貴族制の時代には、最初から世界が違うわけだから、反発は起こりようがない。科挙ができて、少なくとも名目は誰でも(もちろん例外はいますが)なれるようになってこそ、嫉妬が生まれる。
日本で公務員があれだけ反発を食らっているのは、まさに「一般市民」となにも異なるところがないからでしょう。いっぽうで、皇族(日本で「我々と違う」のは彼らぐらいなので)に嫉妬する人ってのは、聞いたことがありません。


もちろん、反発や嫉妬しちゃダメ、ということはありません。ただ、それに変なエネルギーを使いすぎるのも、どうかとは思います。